川島雄三監督、生誕100年記念イヤー。命日に合わせて、名匠を偲ぶ傑作10タイトルをご紹介
川島雄三監督、生誕100年記念イヤー。命日に合わせて、名匠を偲ぶ傑作10タイトルをご紹介
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2018/06/11
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川島雄三監督、生誕100年記念イヤー。命日に合わせて、名匠を偲ぶ傑作10タイトルをご紹介

喜劇・風俗映画を中心に活躍した川島雄三監督(1918年2月4日 - 1963年6月11日)。シニカルだけれど温かみがあり、俗っぽいのにハイセンス、コメディなのにちょっぴり重い余韻を感じさせる、ユニークな作品を残した名匠です。 

2018年は、その川島監督の記念すべき生誕100年。U-NEXTでは命日にあたる6月11日より、川島雄三監督の傑作を配信開始いたします。厳選の10タイトルを、どうぞお楽しみください。

名匠・川島雄三監督を偲ぶ傑作10タイトル

幕末太陽傳(1957)

≪出演≫ フランキー堺、南田洋子、左幸子、石原裕次郎、芦川いづみ ほか 

川島雄三の最高傑作との呼び声高い1本。50年代のオールスター・キャストが織りなす、笑いあり涙ありのお江戸人間喜劇。「居残り左平次」など落語の演目から切り取った要素と、“太陽族”など当時の風俗をミックスした軽妙な仕上がりが魅力です。監督の才気を確認するには、まずこの作品から。

洲崎パラダイス 赤信号(1956)

≪出演≫ 新珠三千代、三橋達也、轟夕起子、植村謙二郎 ほか

洲崎遊郭(現在の東京都江東区)を舞台に、川島雄三が見つめた男と女の人間模様。女にだらしないダメ男たちと、粋な風情の遊女たち、居酒屋や蕎麦屋でたくましく働く女たち。当時の下町の活気を背景に、男女関係の妙をちょっぴりデカダンに描きます。『幕末太陽傅』(1957)と並ぶ代表作の1本です。

わが町(1956)

≪出演≫ 辰巳柳太郎、南田洋子、高友子、三橋達也 ほか

大阪の下町を舞台に、血気盛んな人力車引きと、彼をめぐる人間模様を描いた男の一代記。明治、大正、昭和と移り変わる世相と、それが市井の人々にもたらした変化をうまく盛り込むことに成功しています。東京の撮影所にて、大阪の長屋“ガタロウ横丁”を完璧に再現したオープンセットへのこだわりも必見です。

飢える魂 (1956) / 續 飢える魂 (1956)

≪出演≫ 三橋達也、南田洋子、轟夕起子、大坂志郎、小杉勇  ほか

コメディのイメージが強い川島監督ですが、メロドラマも匠の演出!前後編にあたるこの2作品は、現在の「不倫ドラマ」の原点。人気絶頂の南田洋子演じる若い人妻と、宝塚歌劇団出身の轟夕起子演じる未亡人、ふたりのヒロインが幸せを求めてさまよう姿が丁寧に描かれます。今や大ベテランの小林旭が、轟の息子役で銀幕デビュー。

愛のお荷物(1955)

≪出演≫ 山村聰、軣夕起子、三橋達也、北原三枝、東野英治郎、フランキー堺、山田五十鈴 ほか

戦後の「産めよ殖やせよ」政策により増えすぎた人口を懸念した政府が打ち出した“受胎調整”政策。提唱者であるにもかかわらず、この政策に翻弄される厚生大臣ファミリーのドタバタぶりが愉快です。テンポのよいセリフの応酬も現代的!少子化が問題視される今、ますます皮肉なユーモアが感じられる、傑作風刺コメディ。

あした来る人 (1955)

≪出演≫ 月丘夢路、新珠三千代、山村聰、三橋達也、三國連太郎 ほか 

井上靖原作の文芸作品を映画化した意欲作。関係の冷え切った実業家夫婦、不器用な研究者、新進の服飾デザイナー、登山の魅力に取りつかれた男。5人の関係の変遷を通して、出会いとすれ違いを繰り返す人生の機微を描きます。まったく別の物語が、ある時、ある視点でひとつに収斂していく構成が見事!

銀座二十四帖(1955)

≪出演≫ 河津清三郎、月丘夢路、北原三枝、三橋達也、浅丘ルリ子 ほか

銀座の花屋を舞台に、訪れる客たちの人間模様を描いた作品。川島監督が得意とした、時代背景と風俗を取り込んだ洒脱な人間ドラマです。さらに、戦後復興まっただ中の銀座の風景をヴィヴィッドにフィルムに刻んでいる点でもとても貴重。ナレーションを務める森繫久彌の味わいのある語り口が、作品に深みを与えています。

風船 (1956)

≪出演≫ 森雅之、北原三枝、三橋達也、芦川いづみ、新珠三千代 ほか

川島監督の一番弟子で長く助監督を務め、後に自らの監督作『楢山節考』『うなぎ』で2度カンヌ映画祭パルム・ドールに輝いた今村昌平監督が、脚本として初めてクレジットされた作品。ふわふわと地に足がつかない都会の男女の心模様を「風船」に喩えてシニカルに描きつつ、ラストでかすかな希望を示唆する、川島流人生賛歌!

お嬢さん社長(1953)

≪出演≫ 美空ひばり、坂本武、大坂志郎、佐田啓二、月丘夢路 ほか

16歳の美空ひばりを主役にすえた和製ミュージカルも演出。社長が病に倒れたことで孫娘が後を継ぎ、経営乗っ取りの陰謀から会社を守るために大活躍するという荒唐無稽なストーリーを、雄弁な画面構成とテンポのよい展開で力強く魅せていきます。当時のトップスター、佐多啓二(中井貴一の父)の美青年ぶりにも注目!

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